概要
Vue.js 2.x系でComposition APIとOptions APIを共存させる方法について詳しく解説します。Vue.js 3.x系ではComposition APIが導入されましたが、Vue.js 2.x系でも一定のサポートが可能です。この記事では、Vue.js 2系の最新バージョンへのアップデートから、Piniaの導入、ビルドエラーの対処法までをステップバイステップで説明します。
設定手順
1. Vue.jsと関連パッケージのバージョンアップ
- Vue.jsを2系の最新バージョン(
"vue": "^2.7.16"
)にアップデートします。 vue-template-compiler
も同じくバージョンアップ("vue-template-compiler": "^2.7.16"
)します。
これらのアップデートは、Vue.js公式のUpgrade Guideに従って行いました。このガイドでは、Vue.js 2.7への移行に関する具体的な指針や推奨される設定が提供されています。
2. ESLintエラーの対処
バージョンアップの影響で、ESLintのエラーが発生することがあります。ビルドが通らない場合は、ESLintの設定を一時的に無効にするか、コードを修正して解決します。
3. Piniaのインストールと設定
1. Piniaをインストールします("pinia": "^2.1.7"
)。
2. ビルド時に Can't import the named export 'computed' from non EcmaScript module エラーが発生した場合は、以下の設定を vue.config.js に追加します。
3. src/main.ts(プロジェクトによって異なる場合がありますが、Vueインスタンスを作成し、アプリケーションを初期化するファイル)に以下のPiniaの設定を追記します。
4. @vue/cli系パッケージのアップデート
@vue/cli
関連のパッケージをバージョン"^4.5.18"
にアップデートします。
5. tsconfig.jsonの設定
tsconfig.json
に以下の設定を追加します。
これにより、Volarの型推論サポートを利用できるようになります。Vue.js 2.7では、@vue/runtime-dom
をインストールする必要がなくなりました。
6. VSCode拡張のインストール
Vue - Official(Volarが組み込まれた)をVSCodeにインストールします。必要に応じて、extensions.json
に以下を追加します。
extensions.json
については、以下の参考リンクを確認してください。
7. パッケージの再インストール
rm -rf node_modules && npm i
を実行し、package-lock.json
を最新に更新します。Yarnを使用している場合は、対応するコマンドを使用してください。他のブランチに切り替える際は、rm -rf node_modules && npm ci
を実行してnode_modules
を再構築します。
実装確認
設定を完了した後、以下のようにsetup()
関数の糖衣構文を利用したタグ内にComposition APIで実装すると、Composition APIとOptions APIのファイルが正常に動作することを確認しました。
さいごに
Vue.js 2.xでComposition APIとOptions APIを共存させるための手順を紹介しました。これにより、既存のOptions APIコードを維持しながら、新しいComposition APIを試すことができます。Vue.js公式のUpgrade Guideを参考にしながら、適切に設定を行うことで、プロジェクトの移行や新しい機能の導入がスムーズに進むでしょう。